2025年大阪・関西万博をめぐり、参加する国や地域が建てるパビリオン建設で必要な申請数がゼロとなっている問題で、大阪府の吉村洋文知事は3日、記者団に、開幕まで時間的に余裕がなくなっていることは事実だとし、「(日本国際博覧会協会に加え)国、大阪府・市、建設業界が一体となって進めていく必要がある」と述べた。
万博には153カ国・地域が参加を表明。このうち、各国・地域が費用を負担して独自パビリオンを建てる「タイプA」には約50カ国・地域の参加が見込まれている。
しかし、大阪市によると、タイプAの建設で必要な「仮設建築物許可」の申請は、今月3日現在ゼロ。背景には、建設業界の人手不足や資材価格の高騰があるとされる。
申請から工事の開始までは目安として約2・5カ月を要するとされ、国や地元では開幕までに工事が完了するか危機感が強まっている。
吉村氏は「建築資材高騰などもあって、課題であると認識している」と説明。「建設業界に現状を伝える必要がある」と語り、国から建設会社への働きかけを通じ、建設を加速させていく考えを示した。また、今年5月に岸田文雄首相と面会し、こうした現状や課題について伝え、理解を得たと述べた。今後、国の協力を得つつ「しっかりと(開幕に)間に合わせるよう、準備を協力して進めたい」とした。
一方、松野博一官房長官も3日の会見で、日本国際博覧会協会と協力しながら、施工事業者の確保や工法に係る助言をしていく方針を表明。「建設の加速に向け、参加国と施工事業者双方に対して、引き続き全面的に支援していく」と述べた。(箱谷真司)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル